WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。
Miro Video Player 1.0の公開に際して、MiroがJoostにけんかを吹っかけているよというお話。もちろん、直接因縁をつけているというわけではないのだけれども、比較表を作っていかにJoostに比べてMiroが勝っているかを強調している。また、それと同様の議論をMiroのブログにおいても行っている(なぜMiroはJoostより優れているのか、なんて刺激的なタイトルで)。もちろん、意識するのはわかるのだけれども、個人的には特性が異なるので、完全に競合製品として考えにくいなという部分もある。Joostがビデオジュークボックスであるのに対して、Miroはビデオエクスプローラといった感じだろうか。もちろん、互いに意識し合い、互いに影響を与えつつ、その良さを取り込みあってくれれば、ユーザとしては望ましい限りで。
原典:NewTeeVee
原題:What Joost And Miro Could Learn From Each Other
著者:Janko Riettgers
日付:November 04, 2007
URL:http://newteevee.com/2007/11/04/what-joost-and-
miro-could-learn-from-each-other
Participatory Culture Foundationの人々は、かつてDemocracyと呼ばれたMiro Video Player 1.0のリリースに向けて準備を整えている。彼らがナイフを研いでいる音が聞こえるだろう。現在、WebサイトGetmiro.com は MiroとJoostの比較を強調している。そして、Joostは多くの愛を得られないでいる。「Miroはまさにインターネットのように開いている。JoostはDRM付のケーブルテレビの機能する。」
サイトの攻撃的な雰囲気は理解できる。確かにMiroが優れた製品出るが、彼らが昨年後半ローンチしてからというものずっと、Joostが全ての注目を引き付けてきた。しかし、Miroブログが嘆くように、Joostは「非常にさえない製品」なのだろうか?我々はそれについてそれほど確信がない。確かにJoostはその欠点を持ち合わせている。しかし、それでもいくつかの非常に革新的な特徴を持ってもいる。それなら競争から学ぶこともあるだろう。後からナイフファイトを始めることだってできる。
ここにMiroがJoostから学んだ複数の特徴を挙げよう。
よりソーシャルに:Miroはチャンネルガイドにおいて非常に素晴らしい仕事をしている。しかし、それ一度に多くのチャンネルをブラウズすることができるというだけである。Joostは、ソーシャルインタラクションを利用してこの問題を解決しようとしている。Joostでは、ユーザは番組についてブログに書くこともできるし、他の人とチャットをすることもできる。また、非常に優秀なメタデータフレームワークのおかげで、多くの異なる方法で沿うぞ作用を可能とする。少なくともMiroがそのような方向に向かうステップを踏めば、素晴らしいものとなるだろう。
Widget/Plug-inを手に入れろ:たった11人のスタッフだけで自らの製品に全ての機能を統合するのは、非常に困難であることは認めよう。これは、Widget、Plug-in APIが非常に役立つというところであろう。Joostはふんぞり返っていられるような存在ではないということを理解していて、今年の8月、彼らのWedget APIを公開した。
よりオープンに:確かに、Miroはオープンソースである。そしてクライアントは全てのポッドキャストの購読に対応している。しかし、Web開発者がMiroとうまくやっていくための方法が全く整っていない。Joostは、複数の開発者達に、彼らのチャンネルガイドについてのアイディアを考えさせるよう刺激している。Miroはプレイヤーへの直接のアクセスを提供することによって、彼らに勝っている。ではなぜ、人々がチャンネルガイドとして望んでいる全てのWebページをロードさせないのだろうか?結局のところ、MiroはMozillaコードに基づいている。HTMLページを統合することは、それほど難しいことではないだろう。UPDATE:現時点で、あなたがそうするための方法がわかった。選択したチャンネルガイドを『Channels > Add Channel Guide』で追加するだけでいい。ありがとう、Frank!
もちろん、Joostも同様にいくつかのレッスンを受けている。
カタログの開放:確かに我々はそれを得ている。真面目なコンテンツはよりよい広告取引を導くだろう。しかし真面目な話、JoostはHot & Wet Strip Triviaをフューチャーしている。Miroがしているように、インディービデオポッドキャストのために彼らのカタログを解放するのであれば、どの程度障壁は低められるのだろうか?
ローカルビデオの再生:私がハードディスク内に既に手に入れているビデオを再生させてはもらえないだろうか。よろしくお願いしたい。それはあまり需要のないことだろうか?
壁を取り壊せ:Miroは36の世界中の異なる言語のコンテンツを提供してくれる。しかし、Joostは必要以上に地理的な制限を強いている。残りの世界には、どれくらい面白い番組があるのだろうか?アルジャジーラやBBCのコンテンツはどこだろうか?Joostにはヨーロッパ中に働いている人がいる。しかし、Miroと比較すると、番組はまるで米国のケーブルテレビのようだ。
最後に双方に対するレッスンを。1つのサイズが全てにフィットするわけではない。何十年もの間、テレビのニーズの全てを供給してきたこの箱を、我々はリビングルームに設置してきた。それは現在、1つのソフトウェアソリューションによって置き換えられるものだろうか?とんでもない。JoostとMiro、互いの位置決めのために必要な競争は、Web、そしてビデオプラットフォームにおいての競争でしかない。遅かれ早かれ、彼らはナイフを置かねばならないだろう。
Joostの限界というのは確かにあると思う。現状では、Joostプラットフォーム内でしか利用できないってのはクローズドな感じがするしね。もちろん、それはコントローラビリティを高めるために、致し方のない部分もあるのだろう。Joostがよりオープンな状況を目指しても、コンテンツプロバイダがそれを望んでいないって部分もあるしね。一方で、フリーさを売りにしても、そのフリーさゆえにコンテンツプロバイダにとっては、二の足を踏んでしまう存在かもしれない。非DRMでダウンロード可能!って言われれば、ただでさえ有料コンテンツにDRMを施す人たちなんだもの、おいそれと受け入れられるわけではないだろう。
確かにMiroも多くのコンテンツプロバイダからコンテンツを提供されているけれども、その大半はJoostのそれとは違ってポッドキャスト用のクリップだったりするし。なので、現在の両者を比較するとしても、Miroはオープンなビデオポッドキャスト用プラットフォームだし、Joostは閉じられたフルレングスビデオのビデオデッキって感じね。少なくとも、最も重要なコンテンツの部分で明確な違いがある。YouTubeなどのビデオ共有サイトからダウンロードできるといっても、既にそれが可能なソフトウェアは存在するし、より多くのコンテンツプロバイダからコンテンツをフィードされているといっても、その大半がビデオクリップというのでは、フルレングスの商用コンテンツを提供するJoostはと求められる部分が異なるといえるだろう。単純に比較することはできない
もちろん、それはMiroが劣っているということを示しているわけではないし、魅力が半減するわけではない。ただ、現在のところはMiroに抱く魅力と、Joostに抱く魅力が異なるということ。Miroにしてみればそんなことは百も承知で、パブリシティを得るために少し刺激的な主張をしているとも考えられるけどね。
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