米国調査:DVDレンタル→コピーは都市伝説?DVDリップするユーザは全体の2%程度

NPD Group NPD Groupの調査によると、ほとんどの人がDVDのリッピングを行ってはおらず、DVDをレンタルしてコピーしているユーザ像というのは都市伝説だとしているよというお話。なぜ、DVDのリッピングをしないかについては、そのような手段を知らないからではなく、知っていてもリッピングが面倒で、時間がかかるものだと認識しているためであると指摘している。確かに、大量のディスクスペースを必要にもするし、現在の2層DVDの1層化(DLは単価高いし、更に時間が・・・)も面倒だったりするわけで、その辺は納得のいくところでもある。そう考えると、DMCAなんかできつく取り締まらなくても、単にコピー防止の技術を導入するだけで十分に効果があったとも考えられるよねぇ。まぁ、DMCAのおかげでそのような手段が一般的ではないのかもしれないけど。

原典:CNET News.com
原題:Report: DVD ripping less a threat than file sharing
著者:Greg Sandoval
日付:July 10, 2007
URL:http://news.com.com/8301-10784_3-9741917-7.html

ついに、ハリウッドスタジオとファイル共有ユーザが共に祝えるというニュース。

NPD Groupの研究者たちは、一般に考えられているのとは対照的に、ほとんどの人が、映画やテレビ番組を得るための手段として、DVDを『リップ』したり、コピーしないことが明らかにした。レポートによると、DVDリッピングは、P2Pサービスを介したファイル共有よりも遥かに一般的ではない。

「人々がNetflixのようなサービスを利用して(DVDを)借り、そしてコピーする、それは都市伝説、もしくはそのような感覚なのでしょう。我々は、その(都市伝説の)いかなる証拠をも見出すことはできませんでした。」とNPD上級アナリストのRuss Crupnickは語る。

NPDの調査結果は、映画やテレビの領域が、音楽業界に比べるとそれほど著作権の脅威には晒されていない、という更なる証明となる。

NPDは火曜、インターネット回線を持つ世帯のうち、わずか2%程度しか彼らのコンピュータ上にDVD-rippingソフトをインストールしていないことを明らかにした。

『Digital Video in America』と題されたレポートによると、(訳注:なぜDVDのリッピングがなされていないかの問いに対しては)DRMスキームに対してはその比率は低く、DVDのリッピングがCDに比べてより時間を浪費し、手間がかかると広く認識されていることが、調査者によって認められた。

Crupnickは、DRMスキームをクラックすることのできる数多くのソフトウェアアプリケーションが存在することを認める。ではなぜ、人々がそれを利用しないことを選択するのかは、調査者にとって謎であった。

「私が行った簡便な実験では、それらはうまく利用できました。しかし、消費者は『時間がかかるのなら、使う気はない』と言って、利用することはないようです。」とCrupnickは語る。

なぜにこの結果が、ファイル共有ユーザも喜べるのかはわからないけれど、その内容にはそれなりに納得。クラックできることは知っていてもやはりそれは面倒だし、時間がかかるとなると、積極的に利用したいとは思わないだろうしね。それに、映像作品全般に言えることとして、音楽に比して、2度目の利用の可能性は格段に低いということが考えられる。要は1度見れば十分ってこと。もちろん、永久保存したい、という映画やドラマもあるけど、音楽に比べるとそれを手元においておきたいという衝動はそれほど高くないかと。CDレンタルだとコピーは一般的だけど、DVDレンタルのコピーはそんなに盛んではないよね、ということかと。

そうなると、DMCAってなんだったの?という感じもするけれども。まぁ、冒頭にも書いたけれど、手段が抑制されていることが一般化を阻害しているとも考えられるので、効果がないとは言い切れないけれど、そのようなことよりも、単に面倒だ、と認識されていることによって、抑制されている方がより強い効果を持っていることの方が興味深い。

更に私的複製の問題にも関わるかもね。ほんの2%の人から補償金を得るために、残りの98%の人からも不当に補償金を取ることもありうる。もちろん、その2%の人達が主なDVDの購入者なわけだから、その割合がそのままDVDの使用目的の割合とは合致しないのだけれども。

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