WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。
フェイクトラッカーを立て、フェイクTorrentをばら撒くことで、BitTorrentユーザのIPアドレスを収集、そしてそのユーザのISPに警告状を送付していたMedia Defenderが、今度はフェイクビデオ共有サイト「Miivi.com」を開始し、そこにアップロード/ダウンロードしたユーザのIPを収集するという戦略を開始したようだ。おそらく現時点では、ISPに警告状を通知する、というところまではいっていないのだろうが、これまでの戦略を考えると、そうなる可能性は高いだろう。現在のところ、miivi.comはオフラインになっている。気づかれて撤退したのか、技術的な問題か・・・。
原典:TorrentFreak
原題:Anti-Piracy Gang Launches their own Video Download Site to Trap People
著者:Ernesto
日付:July 04, 2007
URL:http://torrentfreak.com/anti-piracy-gang-launches-
their-own-video-download-site-to-trap-people/
MPAAやRIAA、複数の独立系メディアプロダクションお抱えの悪評高いアンチ海賊行為ギャング、Media Defenderが、『miivi.com』という独自のビデオアップロードサービスをローンチした。サイトの唯一の目的は、人々を罠にかけて、著作物をアップロードさせることある。それによって彼らは逮捕されるかもしれない。
Media Defenderは、その胡散臭い戦略で知られている。このビデオアップロードサービスをローンチする以外にも、Media Defenderは、人々のIPアドレスを収集するためにフェイクtorrentをダウンロードさせるよう罠を張り、それによってISPに著作権侵害警告を通知する。
幸いにも、これらのフェイクBitTorrentトラッカーのIPアドレスは、PeerGuardianのようなブロックリストソフトウェアによって、既に遮断されている。しかしながら、依然として彼らはこの罠にかかった多数のユーザのIPアドレスを収集することに成功している。
そして現在、彼ら同様の手法を、『フェイク』ビデオダウンロードサービスで試そうとしている。彼らは新たなドメインを登録し、miivi.comなどというweb2.0っぽい名前で、ビデオアップロード/ダウンロードサービスをローンチした。Miiviは、「300」のような超大作映画の高速なダウンロードを謳っている。そうして、人々が著作権で保護されたコンテンツをダウンロードするよう誘い込む。
彼らにとっては、P2PユーザやYouTubeその他のビデオ共有サイトだけに警告状を送付するというのは、不十分なのだろう。この記事に最後に、WHOISインフォのスクリーンショットを記載する。これは明白だろう。いかに『海賊行為』が悪とみなされようとも、これは『海賊行為』と戦うための方法としては、あまりにお粗末だろう。
私からの提案:できる限り合法的なコンテンツをアップロード、ダウンロードし、そのタイトルを「THIS SITE IS A SCAM(ここは詐欺サイトだ)」とつけよう。彼らのサイトが負荷に耐え切れるかどうか見ものだ。
何がすごいって、これだけ批判されているやり方をさらに範囲を拡大して行っていること。たとえるなら、偽ブランドショップを開いて、それを販売しておきながら、購入者に「何ニセモノ買ってんだよ!」っていっているようなものかと。まぁ、モノを渡しているわけではないので、例えとしてはいまいちだけど、何というか自分たちで火を放っておいて、燃え移った人に因縁をつけてる感じがする。
ウンザリソリューション程度ならまだ理解も出来るのだが、トラップを張っておいて、引っかかった人を脅していくってのは、正直やりすぎかと思う。もちろんその背景には、ビデオ共有ユーザを追跡するための方法がこれまでなかったというところに起因するだろう。そこで、このような手法を用いたと思われる。
これまでのフェイクTorrentのケースと少し異なる点を考えてみる。フェイクTorrentの場合は、いかに警告状が送付されたとしても、ユーザが著作物をアップロード/ダウンロードしたという証明にはならなかった。というもの、いかに著作物の名前がつけられたtorrent出あっても、そこでアップロード/ダウンロードされているものはフェイクファイルなわけ。それがまずいというなら、それを最初にseedしたMedia
DefenderBayTSP(フェイクトラッカー戦略を用いていたのは、BayTSPでした。ということで修正)自体が違法行為に関わっていることになる。ということで、フェイクtorrent自体は、そのまま訴訟に繋がるということはないのだけれど、今回のフェイクビデオ共有サイトのケースでは、ダウンロードする分には同様のことが言えるのだけれども、アップロードに関しては、完全にアウトだろう。全ての証拠が向こうに渡ることになる。アップロードしたコンテンツと、IPアドレスとがね。
そうなれば、著作権侵害として訴え出るかどうかは向こうのさじ加減1つで決まることになるだろう。まぁ、著作物のアップロード自体、するもんじゃないとは思うけどね。
関連エントリ
MPAAによるFake Torrent放流用トラッカーを特定
FakeFinder:Fake
Torrentとそのホストトラッカーのリスト
フェイクファイルによるIP収集は違法行為の証明にはならない
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その2
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