BitTorrentで合法的にコンテンツをダウンロードできる10のサイト

前のエントリでは、「あまり知られていないけどナイスなTorrentサイト」を紹介したけれども、今回は合法的なコンテンツを扱っている10のBitTorrentサイトを紹介するよというお話。もちろん、前のエントリが違法なサイトというわけではないし、The Pirate Bayを含む全てのTorrentサイトで、著作権を侵害しないコンテンツであれば、そのダウンロードは合法的に行れるわけだけれども。

原典:NewTeeVee
原題:Ten Sites for Free and Legal Torrents
著者:Janko Roettger
日付:March 3, 2007
URL:http://newteevee.com/2007/03/03/ten-sites-for-free-and-legal-torrents/

BitTorrentによるダウンロードは、違法なものか、それともDRMに感染したものしかないのだろうか?いや、それは違う。帯域を抑え、フリーかつ合法的なTorrentのダウンロードを提供し、同時にファイル共有ユーザをハッピーにしてくれる多くのサイトが存在する。

The Pirate BayのようなサイトがいまだにBitTorrentトラフィックの主要なソースであることは認めよう。しかし、合法的なプラットフォームが、いくら見ても時間が足りないくらいの十分な量のすばらしいビデオを提供している。そのような生活をはじめるにあたって、ここに10のすばらしいサイトを紹介しよう。

Legaltorrents.comは、ここ7ヶ月に渡って90テラバイトのCreative Commonosライセンスのコンテンツを配信している。このサイトは主に音楽ダウンロードを特徴としているが、南アメリカのテレビ番組、Go OpenやFirefly-Documentary Done The Impossibleといった優れたビデオコンテンツもある。全てのファイルは運営によってseedされており、ダウンロードできないということはないようだ。

Public Domain Torrentsは、多数のフォーマットで著作権のきれた映画のTorrentを配信していることを特徴としている。残念なことに、ここは運営者がseedしてくれているわけではないので、最近投稿されたものを主に利用するのが良いかもしれない。

Legit Torrentsは、ビデオやゲーム、Linuxの配布など利用が自由なTorrentを集めている新しいサイトである。

BitTorrent.comは最近のダウンロードストアを開始に関して酷評されたものの、同サイトでは音楽やビデオコンテンツの無料ダウンロードも提供している。残念なことに、無料のものはレンタルやセールスの下に追いやられており、その辺はいろいろとご事情があるのだろう。

SXSW.comはSouth by Southwestフェスティバルのプロモーションのために、音楽やビデオのダウンロードを提供している。今年のフィルムトレーラーはまだアップされてはいないが、3GBにも上るMP3があり、それによってこの3月にAustinで行われるパフォーマンスの一端を知ることができるだろう。

音楽で言えば、ETreeは可逆FLACオーディオフォーマットで、ブートレグフレンドリーなアーティストのライブレコーディングをホストしている。

もうすぐリローンチ予定のAzureusベースのZudeoは、ミュージックビデオ、ユーザ生成コンテンツ、プロが製作した映画、短編映画などを提供している。ファンフィルムHDコンテンツなどの広範なリストは一見に値するだろう。全てのダウンロードは運営者によってSeedされている。

TorrentFreakは、BitTorrentシーンの最新の情報を提供していることで知られている。同サイトは自身のトラッカーを運営しており、公式にBitTorrenrtにリリースされた映画The Corporationのような合法的なダウンロードを提供している。

Revision3.comは、技術的にはTorrentサイトではなく、BitTorrentを利用したオンラインビデオネットワークである。全てのエピソードのページが、多数のTorrentリンクを持ち、それぞれ番組をRSS-feedを利用してダウンロードすることもできる。また、それらは好みのフォーマットやサイズを選択することもできる。

最後に、合法的なTorrentサイトのリストを紹介するに当たって、Linuxtracker.comのようなLinux ISOを提供するサイトを紹介しないわけにはいかないだろう。フリーなオペレーティングシステムの支持者たちは、長い間、その最新版のリリースにBitTorrentを利用してきた。Linuxtrackerは、オープンソースDVRシステムのKnoppMythやマルチメディアプロダクションプラットフォームの64 Studioといったビデオに特化したリリースを含む、全てのメジャーなLinuxをリストしている。

いくつかのサイトはこれまでのエントリでも書いてきたが、それぞれに特徴があって面白い。ただ、残念なことに英語圏のコンテンツが多く、日本人には利用しにくいコンテンツも多い。

いかにP2Pファイル共有が、商業ベースに乗らないユーザ生成コンテンツや、パブリックドメイン、CCライセンスのコンテンツの配信を助けるといっても、実際のところはその多くは商業ベースの著作物を著作権を侵害する目的(侵害すること自体が目的というわけではなく結果として)で利用されていることが多い、という現実がある。その原因の1つとして、そのようなユーザがP2Pファイル共有を利用するに至ったきっかけやその動機があるだろう。彼らの多くは「音楽がタダでダウンロードできるよ」とか「映画がタダで見れるよ」といったうたい文句に引き寄せられて利用し始めただろう。おそらく彼らは、P2Pファイル共有をそのような用途で用いるという枠組みにとらわれているかもしれない。

しかし、違法ファイル共有が人気を博する一方で、合法的なコンテンツ配信のためにP2Pファイル共有を利用するという試みも拡大しつつある。もちろん、それがメインストリームになりうるためには、まだまだ時間もかかるし、環境整備も必要だろう。しかし、そのためにはまず、どのような試みがなされているのかについて知る必要がある。それを知り、実際に試してみることで、違法ファイル共有とはまた別の枠組みで、P2Pファイル共有を見ることができるかもしれない。そして、その中から気に入ったコンテンツやサイトを見つけることができれば、違法ファイル共有によらずとも、彼らの生活は彩られるだろう。

商業コンテンツは、それ自体が利益を生み出すものであり、利益を挙げるために多くのコストを費やすことができる。したがって、コストがかけられることで、より良い作品が生まれる可能性は高まり(一過性のブーム狙いでなければ、ね)、コストに見合わないものは淘汰される(コストに見合わなくても良いものもあるし、低コストでも優れた作品もあるけど)。それゆえ、公表されるものに関しては、比較的すばらしいものが多いかもしれない。一方で、ユーザ生成コンテンツは、商業ベースのものに比べると、お金にしろ時間にしろ、かけられるコストは制限されるし、誰しもが好きに公表できる。それゆえ、多くの人にとって価値の見出せない自己満足に過ぎないものや、予算・時間がかけられないことで残念な作品になってしまうものも非常に多い。しかし、その中で光る作品もある。そういった作品があることを、そしてその作品を知ることが、ファイル共有の望ましい枠組みとして感じてもらえたらなぁと思う。

確かに、ユーザ生成、パブリックドメイン、CCのオーディオ、ビデオコンテンツが一般に利用され始めたのは最近であるし、その多くは魅力的なものではないかもしれない。しかし、それはこれからますます増え、その中からきっとあなたにとって気に入るものが出てくると信じている。それは私にとっても。あなたが今、web上で閲覧しているサイトはどんなサイトだろうか?多くは1ユーザが作っているブログであり、サイトである。もちろん、企業によるものも多いだろうけれど、少なくとも20年、15年前にwebがここまでユーザ生成コンテンツによって支えられるとは想像もできなかっただろう。確かに、オーディオやビデオは文章とは異なり、誰しもが簡単に製作できるものではない。その技術やテクニックも必要になる。しかし、アマチュアだってそんなにすてたもんじゃないですよ。たとえばこんなアマチュア。

Amateur - Lasse Gjertsen

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