FakeFinder:Fake Torrentとそのホストトラッカーのリスト

MPAAやRIAAによるフェイクファイル攻勢は、以前に行われていたようなインデックスをFloodさせるという目的から、利用者のIPアドレスを収集するという目的にシフトしている。そのような彼らの努力に対抗するため、FenopyというtorrentサイトがFakeFinderという、フェイクファイルのリスト、フェイクファイルをホストしているトラッカーのリストを公開しているよ、というお話。

原典:TorrentFreak
原題:How to Find Fake Torrents Uploaded by the MPAA and RIAA
著者:Ernest
日付:January 28, 2007

MPAAやRIAAをはじめとする複数の反海賊行為団体は継続的に、torrentをダウンロードする人々を罠にかけようと試みている。それらのtorrentは、それをダウンロードしようとする『海賊たち』全てのIPアドレスを収集するためにセットアップされたトラッカーによってホストされている。

それらの罠を可視化するため、FenopyFakeFinderを紹介している。FakeFinderは、もっともポピュラーなフェイクtorrentや、最新のフェイクトラッカーををリストする。それはまた、キーワードやインフォハッシュによってフェイクtorrentを検索することもできる。

事実上のそれらのフェイクファイルへの.torrentリンクはブロックされ、FakeFinderは情報的目的のみを提供する。これらのフェイクファイルとそのトラッカーを閲覧することは、実に興味深い。これらの反海賊行為とラッカーホストする企業は、“dirtydevils.cyberbox.com.br”や“bittorrent.isthebe.st“といった非常に面白いホスト名になっている。

これらのフェイクトラッカーの多くのIPが、PeerGuardianのようなBlockListソフトウェアによって既にブロックされているが、それでも彼らはまだこの罠にかかる数千のユーザのIPアドレスを収集することができる*1。多くのtorrentサイトの管理者は、これらのフェイクに気づいており、それらのtorrentがアップロードされるとすぐに、それらを削除する。それは一種のパラドックスともいえるだろう。反海賊行為団体は、torrentサイトに数千通の削除要請を送付しながら、一方で自らそれに類似したタイトルでフェイクファイルをアップロードするのだから。

ある人は、フェイクファイルのダウンロード全く持って刑事犯ではないと主張するかもしれない。そう、この証拠が裁判で支持されるかどうかは疑わしい。しかし、MPAAなどの組織の仕事は、人々を恐怖に陥れることであり、それだけで十分なのである。おそらく彼らが最初にするであろうことは、あなたは何々ファイルをダウンロードしようとしましたね、という文書をあなたのISP送ることである。たとえ彼らがそれよりも踏み込んだ施行を行うとしても、裁判に行く前に和解を試みるだろう。

FakeFinderはBitTorrentサイト管理者が、これらのフェイクtorrentを見つけ出そうとしていることを示している。そして、これはMPAAのような反海賊行為団体のより邪悪な部分をあらわにするすばらしい方法だろう。

*1まぁ、全ての人がPeerGuardianを導入しているわけではないため、いくらそれがPGのブロックリストに入っていようが、それを導入していなければその罠にかかってしまうということ。

Torrentサイト管理人にしてみても、これらのトラッカーからのtorrentをインデックスするのは都合が悪いということだろう。フェイクファイルが自サイトのインデックスにあふれてくれば、警戒して利用者は激減するだろうし、それが反海賊行為団体によるものであると気づいていないユーザであってもフェイクファイルであることに不快感を示して利用しなくなるだろう。その両者を避けるためにも、サイト管理人たちはなんとしてもこのフェイクファイル攻勢をしのがなければならない。

で、そのフェイクtorrentトラッカーなのだけれど、リストを見るとものすごい数になっている。まぁ、すごい努力だこと。もしこれらのトラッカーとの接続を回避したいのであれば、素直にPeerGuardianを導入することをお勧めします。それほど手間でもないしね。

以前のエントリでも述べたけれど、このようなフェイクファイルをダウンロードしたとしても、法的にはなんら問題はないし、それが問題になるのであればそれを放流している団体自体が違法行為を行っていることになるわけで。なので、このフェイクファイルによってIPアドレスを収集したところで、ユーザにはなんら問題はないのだけれど、おそらくはそれを利用して脅迫し、もしかしたら裁判をちらつかせて和解を迫ってくるかもしれない、と。

話は変わるけれど、このような対策は、将来的なP2Pファイル共有広告スパムに対する対策にも役立つかもしれない。もちろん、トラッカーを立ててまで広告ファイルをばら撒く、というわかりやすいやり方だけではなく、トラッカーサイトへのアップロードなどもあるのだろうけれど、そのような行為に対してもtorrentサイトの管理人が乗り出してくれれば、ある程度は防げる部分もある。といっても、トラッカーサイトがその業者からお金をもらっていたらどうしようもないのだけれどね。

胡散臭いところからのインデックスを停止すること、胡散臭いところからのtorrentのアップロードを制限する、胡散臭いtorrentファイルをインデックスからはずす、トラッカーから削除する、といった対策がなされれば良いのだけれど・・・。ちなみにthe Pirate Bayでは、タイトルとコンテンツが不一致なtorrentに関しては削除要請を受け付けている。このポリシーがP2Pファイル共有を利用したスパムに対処するのかどうかは不明であるけれど、今後はそのようなポリシーが必要になるのかも。

参考エントリ
MPAAによるFake Torrent放流用トラッカーを特定
P2Pファイル共有を利用したスパム広告
P2Pスパムの脅威

コメント

非公開コメント