WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。
以下の文章は、Electronic Frontier Foundation の「Wrapping Up a Week Of Action Against SOPA」という記事を翻訳したものである。
原典:Electronic Frontier Foundation
原題:Wrapping Up a Week Of Action Against SOPA
著者:Parker Higgins
日付:December 16, 2011
ライセンス:CC BY
昨日と今日、下院法務委員会はSOPA(Stop Online Piracy Act)のマークアップに傾注した。基本的事実は、悲愴的なものであった。このインターネット・ブラックリスト法案は、憲法に反するものであったが、同法案を支持するレガシー・メディア陣営は豊富な資金を背景に、即座に通過させるに足る数多くの委員を味方につけた。司法委員会議長で、合法案の起草者、「ハリウッドお気に入りの共和党議員」であるラマー・スミスは、同法案の支持者で固めたわずか1回の公聴会を設定し、会期終了間際、駆け込みでマークアップを開いた。
しかし、面白いことが起こった。インターネットが反撃したのだ。それは断片的に始まった。我々が同法案が提出されたことを報じ、我々のアクション・アラートを受け取った市民たちが、インターネット検閲は許されないと国会議員に訴え始めた。その後、多くの人々がSOPAの危険性を認識し、反対の声は次第に大きくなっていった。1ヶ月前の今日、American Censorship Dayには、おそよ6000ものサイトが参加し、数万の人々が国会議員に電話をかけた。そして同法案に反対を表明する議員が増えていった。
議会が市民に気づかれることなく、SOPAを滑りこませるのはもはや不可能であった。しかし、今週は最も重要な週でもあった。同法案はマークアップまで進み、下院議場にまで進む可能性もあった。そのため、EFFは、(様々な政治的背景を持った)団体、テック企業、イノベーター、そしてユーザらと連携し、今週をWeek of Action Against Censorshipと宣言した。
実に波乱に満ちた1週間となった。SOPAのスポンサーはマークアップ直前、土壇場になって「新たに修正された」バージョンを提出し、法案の早期通過を目論んだ。しかし、我々―やあなた方―は騙されはしなかった。我々が強調したように、SOPAは依然として米国憲法と矛盾している。ある法学者はSOPAに関する誤った理解を広めようとしているが、同法案は言論の自由を蝕み、学生や教育者を傷つけ、自由なインターネットのための国際交渉における米国の地位を害するものである。たとえ私たちの言葉が信じられなくとも、このオンライン検閲に反対するオープンレターに署名したヴィント・サーフ、ポール・ヴィクシーら80余名のインターネット発明者、エンジニアたちの言葉に耳を傾けて欲しい。彼らのオープンレターはマークアップの際、SOPAへの反対意見として議事録にも残されている。
しかし、今週起こった最も重要な出来事は、たくさんの人々がこの法案に反対するために行動を起こしたことだった。彼らは地元の議員に電話をかけ、ブログやTiwtter、ソーシャルメディア、ビデオ、そして彼らの口を通じて、この法案の危険性を広めた。
それが何か変化をもたらそうとしている。長丁場となった昨日のマークアップでは(我々も@EFFLiveにてTwitter実況を行った)、一部の議員らが粘り強く、真正面からSOPAに反論した。SOPAを廃案に追い込むまでには至らなかったものの、我々がこの数週間送り続けた、SOPAはオンライン検閲のためのブラックリストを作り出し、サイバーセキュリティを害し、インターネットを分断する、というメッセージは無駄ではなかったのだ。
本日早朝のマークアップでも、ラマー・スミス議長は、司法委員会にはサイバーセキュリティ問題に関して、十分に議論できるだけの知識はないことを認めた。修正案についての投票の後、突如彼はマークアップの中断を宣言した。同法案の検討は、次の機会に再開されることになった。再開は暫定的に来週と予定されたが、来年1月まで延びる可能性もある。より良い法律を作るにあたり、議員が事実を持って検討することは歓迎すべきであり、スミス議長がそれを認めたことは賞賛したい。また、マークアップに重要な視点と専門的な知識をもたらしたゾーイ・レーフグレン議員、ダレル・イサ議員、シャレド・ポリス議員、ジェイソン・シャフェッツ議員に感謝する。彼らのインプット―と修正案―は、議論には何ら寄与しない反論を繰り返すSOPA支持者とは全く対照的であった。(あのリフレインが偽りであったもう1つの事実:対案となる法案 OPEN Actが既に存在していること。これはロン・ワイデン上院議員とダレル・イサ下院議員によって提案されたものである。これが完璧というわけではないが、良い方向に向かうべく対話がなされている。この法案にあなたの意見を反映させるために、http://www.keepthewebopen.comをご覧になることをお勧めしたい)。
マークアップの延期は大きな勝利である。しかし、このブラックリスト法案は未だ廃案になったわけではない。我々が皆、これらに反対し続けることは依然として重要である。まだアクションを起こしていないそこのあなた!今こそ行動しよう!
次回のマークアップの日程については、12月21日に専門家を呼びヒアリングをするというスケジュールも公表されたが、お流れになり、日時は未定ながら来年に持ち越しということになった。
■ 21日に予定されていたSOPA審議が来年まで延期 - Geekなぺーじ
それとGeekなぺーじさんのSOPAまとめ記事も是非。
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