WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。
以下の文章は、TorrentFreakの「France Passes New 3 Strikes Anti-Piracy Bill」という記事を翻訳したものである。
原典:TorrentFreak
原題:France Passes New 3 Strikes Anti-Piracy Bill
著者:enigmax
日付:September 15, 2009
ライセンス:CC
by-sa
5月に採択された当初の「スリーストライク」アンチパイラシー法案、いわゆるHadopiは、仏憲法最高機関である憲法院によって、同法案が違憲であるとして退けられた。しかし、その修正版が7月に元老院(上院)を通過し、そして今日、国民議会を通過した。
2009年5月、論争の的となったオリジナルのアンチパイラシーHadopi法案が採択された後、仏憲法院によって向こうとされた。憲法院は欧州議会と同様のスタンスをとり、同法案は憲法に反するとし、疑われた人々が公正な裁判を受けられねばならないとした。
7月8日、同法案は3ストライクスタイルの制度の下で切断の判断を裁判官に任せるという修正がなされ、仏元老院を通過した。
新たな枠組みは以下のように提案されている。
個人がオンラインでの3度目の著作権侵害を警告されると、彼/彼女はそのメカニズムに基づき、裁判官に報告が行く。審理後、裁判官は当該の個人をインターネットから切断するか、最高300,000ユーロの罰金または2年の懲役刑を科すか、を判断する。
さらに、無実のISP契約者であっても、第三者によってその回線を不正に利用されたのが発覚した場合、「不注意」によって有罪とされる可能性があり、その場合、最高1,500ユーロの罰金、4週間の切断が課せられる。
本日、フランスの議員はこの新たな妥協案に投票を行なった。国民議会は、賛成285票、反対225票でこれを通過させた。同法案(現在、これはHadopi 2とも呼ばれている)は、承認のために上院(元老院)に委ねられることになっている。その後、フランスの法律として署名されることになる。
この話題については、ITmediaでもロイターの記事を翻訳し、掲載している。興味のある方はそちらも是非。
■ 「違法DLでネット切断」法、修正版が仏下院通過 - ITmedia News
この記事によれば、反対に回ったのは社会党、緑の党など左系政党、賛成に回ったのは与党国民運動連合。この構図はこれまでと変わらない。当然、サルコジ大統領も賛成。このままでは当然成立、となりそうだが、前回同様に「野党の社会党は既に、憲法院で異議を申し立てる意向を表明している」ことから、再び憲法院の判断によって、同法の命運、フランスの違法ファイル共有ユーザ、あらぬ疑いをかけられるであろうユーザ、そしてその家族、オープンまたは不注意なWifiユーザの命運が左右されることになるのだろう。
上記の記事ではそれほど詳細に書かれてはいないが、同法案では新設のHadppi機関がオンラインの著作権侵害ユーザを調査し、警告を発する。2度の警告にも従わないユーザは裁判官に報告され、簡易なプロセスを経た後に、インターネット接続の切断、罰金、または懲役が命じられることになっている。
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